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今回ご依頼頂いたフィアット500Cは、当店で中古車でご購入頂き乗って頂いている車両になります。

症状は下記になります。

普通にエンジンが掛かり・・・

普通に走っていて・・・

もちろんその間、発進停止を繰り返し・・・

エンジンが暖まりアイドリングストップが掛かる様になると・・・

信号で停止してアイドリングストップ・・・

発進しようとしアクセルを踏むと・・・

ドン!!!

大きな衝撃と共にエンジンがエンストしてしまう症状です。

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正直この症状私自身初めての経験で連絡を頂いた時に「何が???」と言う感じでした。

詳しく状況をお聞きすると・・・

アイドリングストップ後の発信時に急激にクラッチが繋がっている様な感じでエンストするとの事でした。

マニュアル車で言う、半クラを上手く出来ず急にクラッチを繋いでエンストする時と同じです。

頻度としては結構出るとの事でした。

お客様は、ある程度車の事や機械の事を理解出来る方なので、アイドリングストップをさせなければエンストしないのでは、とアイドリングストップをOFFにして乗って来て頂きました。


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車を診始めた時点で・・・

あぁ~・・・

デュアロジックのポンプの作動音が通常より多くしていました。

一応、コンピューター診断機によるチェックと作動状況を確認した所、油圧が規定値まで上がった後に短時間で低下してしまう状況でした。

その為、油圧を上げる為に短時間にポンプを作動させる必要が有り通常より多く作動していました。

ここからは、どうしてこの様になるか想定しながらの修理スタートです。

コンピューター診断機によるチェックの写真は撮り忘れたので、デュアロジックユニットの取り外した所です。


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正直ほぼ不具合箇所を想定していたので、答えに向かって・・・

前の写真と合わせてみて頂いて・・・

写真右下に外された部品が映っていますが、油圧を送ったり止めたりするバルブになります。

(3個付いています)


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これをよく見ると・・・

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中央のグリーンのOリングが・・・

切れていますね。

ここで油圧が逃げていました。

今回工場で点検をしている最中にギヤが切り替えが出来なくなり、ミッション故障のチェックランプが点灯し動かなくなりました。

入庫時までは切れかかっていて動く程度に油圧を保てていて、診断している最中に完全に切れてしまった様です。

実はここのOリングを交換すれば良いのですが、ここだけの単品部品供給が有りません。

バルブごとの部品になるので・・・

数万円(以前調べましたが忘れました。)もします。


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当社で試しているOリングを使用して交換しました。

以前もこの緑色のOリングが切れていた事が有るので他の部分も一緒に交換しました。


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デュアロジックオイルは以前交換してから、まだ使える状況でしたが、ついでなので一緒に交換です。

写真はここまでになりますが、車両に組付け後予定通りに復帰し調子良く走る様になりました。


今回の症状は・・・

エンストする時は、アイドリングストップ後の発信時にデュアロジックが半クラ状態を保つはずが油圧の低下で保持出来ずクラッチを急激に繋がってしまった事になります。

発進が出来た時は、ちょうど油圧が上がっていた時で半クラを保持出来て発進出来た事になります。

なぜアイドリングストップOFFの時は、同じ様に症状が出ないかと言うと、OFF時は常にエンジンが掛かっていてデュアロジックのポンプは作動回数が多くても油圧が低下したらいつでもポンプを回す事が出来ます。

よってデュアロジックが正常に作動出来ていました。

アイドリングストップ時には、エンジン始動中(スターター作動中)に油圧が低下するとポンプを作動する事が出来ず始動直後に圧力が足りず症状が出てしまう状況です。


今回お客様より早い段階でご相談を受けていたので、お客様が乗っている間に動かなくなる事は有りませんでした。

他の故障でも放置せず点検やご相談を頂くと全てでは有りませんが防ぐ事も可能です。



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